Love Game
後片付けを済ませ
「じゃあ帰るわ」
「えっ?」
漣が慌てて
「泊まるんじゃ」
「ほらさっき言ったじゃない。漣は明日早いし」
引き寄せられてソファーに
「鍵…渡したじゃない」
「そりゃそうだけど…やっぱり」
「瑞希」
首筋に顔を埋めて
「一緒にいて」
「……」
そんな囁かれても
「金曜日に会えるじゃない」
「だけど2人きりじゃない」
「漣…」
「瑞希…欲しい」
「……」
ダメダメ。
このまま流されては。
「漣」
「ん?」
「明日の仕事、テレビでしょ?今度のスペシャルドラマの番宣」
「……」
「漣が番宣出来るように矢野さん頑張ったんだよ」
「……」
たぶん交渉したんだと思う。
主役さんが出れないなら、番宣なくなってたかもしれないもん。
漣が番宣に入ってるのは昼のワイドショー、
朝のワイドショーには主役さんが出ることになっていた。
それに出てロケに行くことになっていたのが飛行機の都合で朝一に行かないといけないことに。
漣は準主役だけど、これが漣には俳優として大事なドラマだもん。
たくさんの人に見てもらわないと。
だから番宣は大切な仕事。
「朝の爽やかな番組に夜更かししたような情けない顔で出ちゃ駄目。メイクさんも大変なんだよ」
そう、一番困るのが私達メイクよ。
同業だからよく分かる。