Love Game



ウェイターがビールを運んできて麻耶さんが


「乾杯」

俺のグラスにグラスを合わせる。

てか矢野さん達だけじゃなく絵梨香をも無視して俺にしなだれかかり話している。

もう酔ってるみたいだ。

またドアが開き入って来た人物を見て

「ちょっと失礼」

この店は業界人が多く出入りする。

だから知り合いを見つけては行ってる。

「麻耶さんと一緒のグループはそんなにいないみたいね」

杉田さんが店内を見回して

「男の子達はまだ新人か、これからデビューするような子達だし、女の子も麻耶さんと一緒にいるのもモデルっていうより芸能人にぶらさがりの子達みたい」

「……」

隙あれば一夜か。

まぁ、俺も偉そうには言えない。

そんな子達とも遊んだこともあるし。

「ごめんなさいね~◇◇テレビ局のディレクターだったから」

こうして網を張ってるわけか。

「漣君、ドラマよかったわ。ホントにかっこよかった。だけど」

「……」

「相手役の子があれでわね」

「……」

「ね、今度一緒に仕事しましょうよ。 私もドラマの話があるから相手役に漣君を推すわ」

「……」

あ~そういうことか。

「いや」

「漣君はもう次のドラマ決まってるからスケジュール空かないわよね」

絵梨香が隣から言い放った。


< 324 / 539 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop