Love Game
「あら絵梨香ちゃん、詳しいのね」
剣のある言い方だ。
「絵梨香とは事務所が一緒だからだいたいの情報は知ってるよ」
「へぇ~」
何だか下卑た目線だな。
こんな表情、ファンとかが見たら引くだろう。
「うちの事務所は仲がいいんですよ」
堪り兼ねて矢野さんが口を出すと
「あら、そうなの。小さい事務所は仲が良くていいわね」
『小さい事務所』
うちの事務所は割りと大手だ。
てか麻耶さんとこに比べたら遥かに大手。
それすら知らないのか。
麻耶さんの事務所は確か麻耶さんが初めての売れっ子だったはず。
だから旬のうちに売りまくったから飽きられるのも早かった。
それに気づいていず今でも自分が稼ぎ頭だと信じてんのか?
「ね~漣君」
「……」
耳元で
「2人だけで抜け出さない?ゆっくり飲みたいわ」
「いや。今日は絵梨香達と一緒だから」
わざとはっきり言った。
「あら2人で飲みに行くの?漣君、今日は初めから4人でご飯に行こうって約束だったのを此方に来たんだから…」
常に絵梨香がこんなきつい口調で話すことはない。
余程頭にきてるんだろ。