Love Game
「そうだ」
「えっ?」
桐原さんが何かを思い出したように
「昨日のドラマ、よかったよ」
「見て下さったんですか?」
「あぁ。真帆と一緒にな」
「真帆さんとですか?ありがとうございます」
「いい役だった。今の漣にしか出来ない役だな」
「桐原さん」
桐原さんに褒めてもらえるのが嬉しい。
桐原さんはお世辞とかじゃなくて本音を言ってくれる人だから。
「真帆は泣いてたぞ」
「真帆さんが」
「あぁ。…お前は瑞希と見たのか?」
「いや瑞希は仕事で…帰ってから録画したのを見たと連絡ありました」
「あ~アイツも忙しいもんな。で、今日は?」
「ロケらしいです。明日しか帰れないと」
「ハハハ…そうか。寂しいな」
「えっ?い、いや」
桐原さんは悪戯っぽくニヤニヤしながら
「認めろよ」
「……」
「俺は寂しい」
「えっ?」
瑞希がいないのが?
「ば~か!真帆がいないとだよ」
「あ、そうですよね」
さらっと真帆さんがいないと寂しいって言える桐原さんって素敵だ。
「うん?」
「いや桐原さんと真帆さんっていいなと思って」
「そうか」
照れてる。
「はい」
「お前等も俺等が羨むくらいになれ」
「はい」
「ハハハ…素直だな」
「えっ?あ、いや」
「ハハハ…」
この夜は桐原さんの家に泊めてもらった。
勿論夜通し飲み明かしたが。