Love Game



『瑞希 逢いたい』

まるで耳元で囁かれているようなハスキーで甘い声

「漣 今日お昼から仕事だったんでしょう?」

流されちゃいけないから話しを変える。

『フッ そうだよ』

私の意図がバレバレだわ。

「取材」

『あぁ、来てた。だけど事務所から何も話すなと』

「えっ?」

『事務所も分かってんだよ。こんな茶番が続くと俺がキレることを。だから無言を貫けと言われた。ま、事務所を通してコメント出してるし」

確かに。

『酒の上での戯言』 だと。

麻耶さんからしたとは言わない。

一応彼女に気を使っての事務所の配慮

まだ麻耶さんはコメントを出してないから…出方を見てるんだろうな。

『事務所同士は話してる』

「うん」

これで下手に麻耶さんも好き勝手にコメントは出せない。

『瑞希』

「暫くの辛抱だよ」

『瑞希は平気?逢えなくても』

いや5日前に会ったけど。

『瑞希』

「電話して。ね。メールもするから」

『仕方ねえな。元はと言えば俺の責任なんだし』

「漣の責任じゃないから。ね」

『ん』

「じゃあね。また明日連絡する」

『明日は?』

明日と言うより今日だけど。

「絵梨香ちゃんと事務所で打ち合わせ」

『そっか。じゃあな。おやすみ』

「うん。おやすみ」

あっさり切ったわね。


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