Love Game
――
―
『逃げないでよ』
出来るものなら逃げ出したい。
だけど、弱虫と嘲られるのは嫌!
はぁ~
こんな時に負けず嫌いの性格が頭をもたげなくてもいいのに。
だから可愛い女になれないのよ。
傷つかない強い女って思われるのよ。
――
―
だけど…
何年も付き合って本当の私があの人には見えなかったんだろうか?
表書きしか見てなかっんだろうか!?
ハハッ
私も馬鹿だよね。
私も結局あの人の表書きしか見てなかったのかもしれない。
この人は私を愛してくれてると、何の疑いもしなかった。
私と抱き合いながら、あの子とも抱き合って…両天秤にかけてたのよね。
あの人は愛なんて醒めてた。
いや、初めからなかったのかも。
ハハハ…
私も見る目がないわ。
――
―
「キ、キャッ!」
いきなり後ろから抱きしめられ
「どうしたの?考え事」
首筋に舌を這わしてる。
「もう上がったの?気がつかなかった」
「ん、何か瑞希さん難しい顔してた」
「何でもない。ねぇ、私もお風呂に入るから、離して」
「……」
「ね」
「仕方ないね」
漸く離してくれた。
ソファーから立ち上がりお風呂へ
が
漣の視線は感じていた。