Love Game
携帯を切った漣に
矢野さんが
「麻耶さんか?」
「あぁ。麻耶さんだと分かったから出た」
席につきビールを一気に。
そして周りを見回し
「優」
「うん?」
「この部屋」
「大丈夫だよ。此処は一般の客席とは離れてるし、一応壁厚いし 」
「ん」
「だけど漣君、普通先に聞かない、それ」
絵梨香ちゃんがおどけたように。
このピンっと張った緊張を和らげるように。
「フフフ…そうよね」
私も絵梨香ちゃんに乗っかって。
「ハハハ…確かにそうだな」
漣も笑顔を見せた。
たぶん今、漣が麻耶さんの電話に出てあんな風に言ったのは私に聞かせる為。
「漣、麻耶さん何て」
「これから飲みに行こうってさ」
「えっ?」
「はっ?」
「飲みにって?」
「何だよ、それ」
「何考えてんの?」
私達5人のそれぞれの言葉が被る。
「断ったら『いいじゃない。貴方にもいい宣伝になるわよ。マスコミを利用したらいいのよ』だってさ」
絵梨香ちゃんが
「信じられない!漣君がこんなに…いえ桐原さんだって迷惑かかってんのに。それを謝りもしないで。それに麻耶さんの宣伝になっても漣君の宣伝にはならないじゃない。逆にイメージダウンでしょう、あんなキス」
「絵梨香ちゃん、落ち着いて」
本当なら私が怒り心頭にならなきゃいけない気がするんだけど絵梨香ちゃんに圧倒されて