Love Game



――



気がつくと漣に抱き寄せられていた。

「あ、気がついた?」

髪を優しく撫でながら

「瑞希さんの髪、綺麗だね。黒くて艶々してる」

「……」

「瞳も真っ黒だし…まるで日本人形みたいだ」

「それって古風顔ってこと?ツンと取り澄ましたような」

「ククク…ホントに面白いね。確かにそんな感じもあるけど、瑞希さんは綺麗な二重だし古風って感じではないか。とにかく瑞希さんは可愛い」

「……」

可愛い、可愛いってからかってるとしか思えない。

漣から離れようとすると抱き戻され

「何処行くの?」

「帰る」

「はぁ?何を言ってんの。今何時か分かってる?夜中の1時だよ 」

「タクシーあるもの」

ベッドから降りてお風呂場へ

シャワーを浴びて化粧をしてる私を後ろから抱きしめて

「次はいつ逢える?」

鏡越しに視線が絡み合う。

「う~ん、分からない。ちょっと忙しいから…貴方だって忙しい んでしょ?」

私の耳にキスをして

「瑞希さんほどじゃないよ」

「…嘘ばっかり」

「瑞希さん」

「うん?」

「逢いたい」

「連絡して。漣君の暇な時に」

「俺が暇でも瑞希さんが忙しいでしょ?」

首筋にキスを…

「そんなに忙しいわけじゃないし。漣君の方が忙しいでしょう? 」

「一日中忙しいわけじゃない」

「……」

「瑞希さん」

シャツの裾から指を…

「漣君…駄目」

指を押さえて

「来週には逢えるから

「今週…逢いたい」


< 39 / 539 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop