Love Game
「漣君と絵梨香ちゃんが付き合ってるとして事務所にも2人にも圧力が掛けれないなら証拠を握ってリークしたいんじゃない?自分の信用回復に。焦ってんのよ」
「なんか馬鹿らしい話しですよね」
普通に真面目に仕事をしていればいいだけだと思うんだけど。
「勘違いしてんのよね。ほらCMに出たい人はいっぱいいるから。 山本さんにお上手するタレントや事務所もないとは言えないから 」
「……」
芸能人にとってCMに出るっていうのは毎日テレビに出ることで、それだけ知名度も上がる。
それをステップに人気者になる確率も高い。
それに係わってる会社の人なら普通のサラリーマンって感じじゃないかも。
自分も芸能関係者、所謂『業界人』だと思う人もいるわけか。
「ややこしいですね」
「確かにね。だけど、瑞希」
「はい」
「貴女は絵梨香ちゃんと漣君の専属だから、これから山本さんみたいな人にまた2人の探りを入れられるかも知れない」
そうだよね。
あの2人のスタッフとして入ってるんだから、あの2人のことを何か知ってると考える人はたぶん山本さんだけじゃない。
「気をつけなさいよ。仕事をしていたら、どんな仕事でも守秘義務はある。特に芸能界ではね」
「はい、分かってます」
「それに敬吾君との一件じゃないけど勘違いされる場合もある」
「……」
私と漣と…
「漣君達はタレントだから、ま、有名税で済むけど貴女は一般人なんだから…まだ結婚前なんだし傷つけられないとは言えないし」
「大丈夫ですよ。私は表に出る仕事じゃないんだし、私があの2人のただのスタッフの1人だってみんな知ってますから」
由布子先生、ごめんなさい。 隠し事をしているのは心が痛いけど でも、先生にも漣とのことは話せない。