Love Game
「瑞希、バレたくないなら電話する時はもう少し小さな声でね」
「……」
聞かれてたの?
そんな私の顔を見て
「何を話していたか内容までは知らないわよ。ただ貴女が『漣、漣』って大きな声で呼んでるのが通り掛かった時に聞こえたの」
そうか。
私が泊まっていた部屋はキッチンからお風呂場へ行く時に通る。
先生は私の後にお風呂に入ったから…
「本気なの?」
先生が真面目な顔で
「貴女は最近酷い目に合っているから…また傷ついてほしくない。それに相手が漣君なら前よりもっと傷つく可能性が」
先生は私が和司と別れた経緯を知っているから尚更心配なんだろう。
「すみません、ご心配をおかけして」
「瑞希」
「私も色々考えました。付き合わない方がいいとも」
「瑞希…」
「付き合ってる今でも別れた方が漣の為にはとか」
「でも漣君が貴女を好きなんでしょう?」
「えっ?」
「伊達に芸能人のメイクを何年もしてないわよ。漣君を見ていて薄々気づいてはいたの。貴女を見る目付きとか」
「……」
「でもまさか貴女が漣君を相手にするとは思わなかったから…だって貴女が芸能人に興味をもつとは思わなかったし、それも年下 の」
「……」
さすがに私のことがよく分かっている。
「瑞希…本気?漣君の熱意にほだされてるだけじゃない?」
「は、初めは付き合うなんて考えてもいなかったし…そんな対象としても… でも何回か仕事とかで顔を合わせていくうちに素の漣が見えてきて」
まさか『3ヶ月のゲーム』からだなんて口が裂けても言えない。
私だけじゃなく漣まで先生に怒鳴られる。
由布子先生は私の保護者を自認してるんだから。