Love Game



コンコン!

ガチャッ!

「あ、メイク入ってるのか」

矢野さんが監督さんと。

メイクの手を止めようとすると

「あ、そのままでいいから。続けて」

「はい」

監督さんが漣の横に椅子を持ってきて打ち合わせを始めた。

メイクをしながらもテキパキと進めていく。

今さっきの甘ったれた顔はなく 俳優『漣』の顔だ。

「じゃあそういうことで」

「はい」

「瑞希さん、漣を飛びきりかっこよくしてくれな」

監督さんが笑いながら私の肩を叩いて控室を出て行った。

「瑞希さん、監督と親しいの?」

何気無く聞いてるけど鏡に映る瞳は厳しい。

どんだけヤキモチ妬くんだろう。

「前にも一緒に仕事をしたことがあるんですよ。まだ助監督時代に」

「そうなんだ」

側に矢野さんがいるからそれ以上は聞けないようで。

フフフ…

「はい、メイク終わりました。衣装に着替えて下さいね。外で待ってますから」

「ん」

いくら何でも生着替えを見るのはね。

廊下に出て

「漣君は?」

「はい。メイク終わって今着替え中です」

スタッフさんに

「じゃあ終わったらスタジオにお願いします」

「はい」


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