Love Game
瑞季と漣(逢瀬)
マンションに着いて
インターホンを押して部屋へ
「遅かったね」
ご機嫌悪いし。
リビングへ行き
「先ず杉田さんの家。それから絵梨香ちゃんを矢野さんの家に送り届けて家に戻って来たから」
「何で家に?続きに来ればいいのに。矢野さんも俺を送って飛んで帰った」
「ち、ちょっと漣」
漣が私の首筋に顔を埋めている。
「やっと瑞希を抱きしめられた」
『抱きしめられた』って…
メイクの前にキスしたくせに。
私の思いが分かったのか
「だからよけいに我慢が大変だったわけ」
「えっ?」
どういう意味ですか?
漣が顔を上げて私の頬に指を滑らせる。
「キスしたらもっと触れたくなる。撮影中も」
「れ、漣」
赤くなるじゃない。
「撮影が終わったら終わったで飯だし。傍にいるのに遠い。それなのに家へ帰るなんて…来る気なかった?」
「えっ?」
睨まれてるし。
「違うわよ。だいたい来なかったら捕まえになんて脅したくせに」
「……」
「荷物を置きに戻ったの。あんな大きなメイクボックス邪魔になるだけだし」
それにもし万が一此処からあんな目立つ大荷物を持って出るところを見られたら…