Love Game
「それに誰かさんは美波さんにベッタリだし」
「……」
漣?
「俺なんか眼中にないみたいだし」
私の気持ちなんか関係なく自分の気持ちをぶつけてくる。
漣の腕から逃れて
「瑞希?」
「漣…それ本気で言ってる?」
「えっ?」
「そ、そりゃあね、漣にそれだけ思ってもらえるのは嬉しい。でも」
「でも?何?」
「少しは自分の今置かれている立場とか…私の気持ちも考えてほしい」
「……」
「今の貴方は…何回もいうけどスターなんだよ。スキャンダルはタブーなの。それに相手がまだこの業界とかに関係ない人なら… 私は貴方のスタッフなんだよ。ありえちゃいけないんだよ」
「……」
「でも…貴方に出会って恋をしてしまった。貴方に『好きだ』って言われて付き合うことになって…本当に幸せなことだと思ってる」
「……」
「でも…いつも何処かで後ろめたく思ってる自分がいる。だからオンとオフの区別はつけてるつもりだし…絶対にバレちゃいけないの。あの麻耶さんの時も大変だった。またあんな目に合ったらどうするの?そ、そんな私の気持ちなんか漣…何にも分かってくれない」
興奮しすぎて自分が抑えられない。
心にある不安を全てぶつけるみたいに捲し立てる。
言っちゃいけない、これ以上は駄目だと頭では思うんだけど…