Love Game
だいたい瑞希は『私なんて』って言うが、それこそ自分のことを過小評価しすぎだろ。
ヘアメイクアーティストとして引く手あまたなんだし。
姿形だってそこいらのモデルよりよっぽど整っている。
何処に自分を卑下するところがあるんだよ。
年か?
俺より5つ上を気にしてんのか?
それとも…
前の男に二股掛けられ捨てられたことか…
あの時、瑞希は『自分が情けない。あの男が見抜けなかった』って…
未だに何処かで引き摺っているのか。
「れ、漣…ど、どうしたの?」
知らず知らずのうちに力いっぱい抱きしめていた。
「瑞希」
「うん?」
「瑞希が欲しい」
「漣」
「抱きたい、今すぐ」
「ち、ちょっと漣…ゥン」
噛みつくように唇を奪う。
俺の頭の中は…あの男への嫉妬が沸き上がって…
――
―
瑞希が俺の背中を叩く。
しぶしぶ唇を離し
「漣…いきなりどうしたの?」
「……」
言葉が出ない。
下手するとあの男のことを話しそうだ。
「漣…顔が怖いよ。どうしたの?」
「瑞希が欲しい」
子どものように繰り返す。
「あ、あの…お風呂に」
「そんなの後からでいい」
何だか不安で切羽詰まっている自分がいる。
瑞希を抱き上げ寝室へ…