Love Game



RuRuRuRu

「はい」

「明日…行くんだよな」

電話の相手は漣。

拗ねたような声で

「今晩もやっぱり無理」

漣の仕事が早く終わったら会う約束だったんだけど

「仕方ないよ」

仕事は大事なんだから。

「だから俺の家で」

「漣。私が家で待ってたら漣も気が散るでしょう?」

「……」

「それにパリって言っても一週間で帰って来るから」

「一週間って…その前から何日も」

それは分かってる。

「漣」

「ごめん。瑞希のせいじゃないのに」

今度はシュンと項垂れたような。

そんな声を出されたら

「漣、ごめんね」

「瑞希が謝ることなんてないさ。それに絵梨香と行くんだし。絵 梨香と矢野さんも逢えないんだもんな」

「そうだね」

考えたらあの2人も同じだもんね。

私達だけじゃないんだから。

「クリスマスには一緒に過ごそうな」

「うん、そうだね。楽しみにしてる」

「ん。じゃあ気をつけて行って来いよ」

「うん、ありがとう」

「毎日連絡すっから」

「仕事の邪魔にならないようにね」

「あぁ。じゃあ」

「うん。おやすみなさい」

「おやすみ。…瑞希」

「うん?」

「愛してる」

漣…

何も言う間もなく切れた。



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