Love Game
「もしかして…麻耶さん?」
絵梨香ちゃんが口にした名前は私も思いついた人だけど
「麻耶さんにそんなこと出来ると思う?漣のマンションを調べて何の当てもないのに張り込みみたいな地味なこと」
「そうだよね。それに彼女なら自分の名前を売る為に事務所に連絡してくるわね」
「えっ?」
麻耶さんが事務所にって
「お金じゃなく漣君との共演を引き替えにすると思うのよ。ううん、漣君の恋人ってことにしてマスコミに流してくれってくらい は言いそうだわ」
「まさか」
「僅か数ヶ月でいいのよ。あの噂は本当でしたってことに。そうすれば私を見返すことも出来る。直ぐに別れたってことにしても話題には事欠かないし」
絵梨香ちゃん、やっぱり確りしてるって言うか頭がいい。
「じゃあ麻耶さんじゃないわね」
「そうよね」
それより
「矢野さん、怒ってるよね」
「えっ?なんで」
『なんで』って
「私を漣の専属にって推してくれたのは矢野さんだよ。その矢野さんを騙して」
「あ、ごめん」
えっ?
絵梨香ちゃんが両手を合わせて拝む真似をして
「弘樹に話した」
「…えっ?えっぇぇぇ~い、いつ?なんで?」
矢野さん私に何も言ってなかったよ。
それに漣も。
「うん、本当は話すつもりはなかったんだよね」
「……」
「あれ、いつだったかな?漣君がマンションを代わる頃か」
結構前のような気がする。