Love Game



「広告代理店の…最低ね。自分の仕事がなんなのか分かってないのね。今、出版社が喋らなくてもいずれは漏れる。その時のことを考えてないのかしら?誰も信用しないし会社を辞めたとしても出版社も新聞社も助けてくれるはずないのに」

「はい。うちの事務所もCM関係で今後あの広告代理店が関与してたらNG出すと思います。当然理由を聞かれるから、それを狙って」

「うちの事務所にも言っとくわ」

「えっ?そこまで迷惑は」

「違うわよ。漣君と瑞希ちゃんの為だけじゃない。うちの事務所の為よ。コソコソ嗅ぎ回ったりリークするような人よ。いつうちの事務所もやられるか分かったもんじゃないわ」

「……」

そうか。

今回はたまたま俺や絵梨香や瑞希だったが、あの性格なら他のタレ ントにもやる可能性は高い。

弱味を握って自分に有利になんてその考え自体が甘い。

桐原さんにも話したので彼処の事務所も警戒する。

たぶん彼のことは各事務所、芸能界中に知れ渡るのも時間の問題だ。

「第一、あの写真誌に瑞希ちゃんは写ってたけど漣君とのツーショット写真なんて写ってはいないからスポーツ新聞関係は掲載してない。掲載したのは結局あの写真誌だけ。信憑性って意味では灰色だから新聞社も出版社もそんなに山本さんを大事にはしないわよ。 本当のスクープ写真じゃないし。みんな直ぐに忘れるわよ」

「……」

「大丈夫。瑞希ちゃんもそのうちに帰ってくるから。その時、ちゃんと向き合ってとことん話し合いなさい」

「香月さん」

「時間を取って悪かったわね。じゃあね」

「お疲れさまです。そして本当にありがとうございました」

香月さんはニコッと微笑み控室を出て行った。

本当に凄い人だ。

器の大きさが違う。




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