Love Game



チェーンを外して

「ありがとう」

漣が部屋に入って行くのをただ見つめている。

「瑞希、いつまでそこに突っ立ってるつもり?」

あっ!

慌ててドアを閉めて部屋へ。

「どうして此所へ」

私が此所にパリにいるなんて知らない はず。

「やっぱり寒いな」

なのに漣は私の質問に答えもせず

「瑞希、俺、腹減った。ルームサービスで何か注文してくんない ?」

「は、はぁ?」

ルームサービス?

まるで極々いつものように

「晩飯、まだ何にも食ってないんだ。…それとも俺が頼もうか?」

「わ、私が注文するから」

「ん。あ、シャンパンも1本頼んでくれ」

「はぁ?シャンパンって」

「今日はイヴだろ」

やはり極普通に言われたから

「うん」

私も流れで言われたままルームサービスを注文する。

でもフランス語はからきしなので片言の英語で注文するから時間がかかる。

ほんと、これだけ日本人の観光客が増えてるんだから日本語話せるスタッフがなんでいないのよと完全な八つ当たりを心の中でしながら。



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