Love Game
ピンポーン
「ル、ルームサービス来たみたい」
慌てて漣の腕から抜け出してドアを開ける。
チップを渡してワゴンごと受け取りテーブルに並べて。
「食べたら。お腹空いてるんでしょ?」
オーダーしたのはターキーサンドイッチとサラダそして漣のご所望のシャンパン、 私用にはブラックコーヒー。
「瑞希は?食べない?」
「私は食べたから。お腹は空いてな い」
コーヒーポットからカップに注いでいると
「俺もコーヒー」
えっ?
「シャンパンじゃ」
「それは後。今は瑞希を誘惑するんじゃなくて説教して説得しなきゃなんないから頭をすっきりさせとかないと」
「はぁ?説教って…なんで説教されなきゃいけないのよ?」
もうわけが分からない。
「とにかくコーヒー」
催促されしぶしぶ漣の分も注ぐ。
漣の前にコーヒーカップを置いて
「サンキュー」
よほどお腹が空いてたのかサンドイッチにかぶりついている。
「ねぇ、どうして私が此所にいるって分かったの?」
由布子先生にはスペインに行くってだけ言ったからパリに戻ってるなんて知らないし。
「ん?」
「超能力なんて言わないでよね」
サンドイッチとサラダを綺麗に完食して
「はぁ~美味かった。ごちそうさん」
なんでこんなに寛いでんのよ。
てか、なんで寛げるのよ。
私がどんな気持ちだったかまるで分かってないみたいに。
「瑞希、怒ってるだろ?」
コーヒーカップ越しに私をじろじろ眺めて
「でも怒りたいのは俺なんだけど」
「……」