Love Game



「なんで姿を消した?」

ソファーから立ち上がり窓から外を眺めていた漣が急に振り返り

「なんで?」

荒げないけど、その声は怒りを滲ませている。

「それは」

「自分が消えることで全てが丸く収まると。いつも瑞希言ってたよな、バレたら別れるって。俺が瑞希言うところのスターでいる為には自分は邪魔だって」

「それは」

「瑞希、俺を見くびりすぎ」

「えっ?」

ソファーにドンっと腰を降ろし、でも視線は私を捉えたまま。

外したいんだけど…外せない漣の強い瞳。

「俺に女が、恋人がいるのがバレたら俺は終わりだと思ってるわけ?俺はただ顔だけの…演技力もなんの魅力もない男だと」

「ち、違う!そんなこと思ってない。 今の漣はデビューした時より遥かに輝いている。お芝居だって粗削りだけど見ている人を惹き付ける力がある。スターのオーラがある」

だから…

思わず俯いて

「瑞希、顔を上げて」

顎に手をかけ視線を合わせる。

「俺は桐原さんより劣る?」

「えっ?」

なんで此処で敬吾君?

「桐原さんだって真帆さんがいる」

「それは」

「確かに俺と桐原さんはキャリアも年も違う。だけど桐原さんが真帆さんをなにより大切にしてるように俺も瑞希を大切に思ってる。でも瑞希は真帆さんが桐原さんを信じてついていこうとしてるようには俺のことを信じてない」

「違う!信じてる」

「なら、なんで消えるの?それも黙って」

「……」

言いたいことはあるのに言葉がでてこない。



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