Love Game
「絵梨香だって矢野さんと付き合ってるのを認めさせようと、誰にも文句を言わせないように必死で頑張ってる。なのに瑞希は闘いもしないで逃げ出した。俺と一緒に闘う気持ちすらない? 闘わずに1人退却して『これでいい、これが漣の為よ』って自己満したいわけ?悲劇のヒロイン」
「や、止めて!」
抑えられていた手を払い
「そんな酷いことがよく言えるわね」
私の気持ちも知らないで。
悔しくて…思わず涙が零れる。
そっと抱き寄せられて
「誰も俺に恋人が瑞希がいてもなんとも思わないよ」
「……」
髪を優しく梳きながら
「そりゃ暫くは面白おかしく書かれたり騒がれたりはするけど… それだけ。直ぐになんとも思われなくなる。第一な、今時それなりの年の男に彼女…恋人がいるからって誰もなんとも思わない。 てか、いて当たり前だぐらいにしか思ってない」
「……」
「瑞希次第なんだよ」
「……」
なにが私次第?
私の戸惑いを感じたのか
「書かれても噂されても平気でいれる覚悟」
「確かに瑞希は俺のスタッフだし」
「えっ?」
顔を上げた私に
「瑞希はまだ絵梨香の俺の専属だ」