Love Game
「キ、キャッ!ちょっと」
いきなり漣の手が伸びてきたかと思ったらバスタオルを取り上げ頭から拭き出した。
「自分でするから」
「遠慮しなくていいから」
いや、遠慮じゃなくて。
なんとかバスタオルを奪い返そうとするんだけど逆に引き寄せられた。
「駄目!漣の服が濡れる」
「大丈夫」
バスタオルを被せられた体をきつく抱きしめ
「瑞希」
「漣?」
どうしたんだろう?
漣の声が
「俺…」
「……」
顔を上げると
「なんでそんな顔をしてるの?」
いつものからかうような表情は消え、まるでなにか不安そうな頼りなさそうな…
この顔…前にも見たことがある。
「瑞希、今…俺の腕の中にいるよな? 幻じゃないよな?」
「漣?」
漣の背中に腕を回し
「うん、いるよ。漣の腕の中に」
「毎晩見ていた夢の続きじゃないよな。抱きしめたと思ったら影も形もなく俺の前から消えるなんてないよな」
抱く腕に力がこもった。
「漣…ごめん。ごめんねごめんね」