Love Game
いつの間にか2人とも抱き合ったまま眠っていた。
久しぶりの穏やかな時間。
こんな時がくるなんて思いもしなかった。
もう二度と逢うことはないと思っていた。
体を起こし漣の寝顔をまじまじと見る。
少し痩せたような。
額にかかった前髪を払うと僅かばかり顔が歪む。
「瑞希!」
突然名前を呼ばれて
「漣、どうしたの?」
自分の叫び声で目が醒めたのか瞬きを繰り返し
「瑞希」
私が漸く視界に入ったのか
「ふぅ~」
と一息ついて
「瑞希がまたいなくなる…消える夢を見た」
「……」
「おかしいよな。瑞希はここに俺の腕の中にいるのに」
「漣」
漣の頭を引き寄せて私の胸元に抱く。
「もう離れないから」
漣の髪を梳きながら何度も何度も
「離れない」
繰り返す。