Love Game
瑞季と漣(メリークリスマス)
二人微睡みながら…
カーテンから冬の鈍い太陽が射し込んできた。
もう朝なんだ。
私の胸から顔を上げた漣が
「おはよう」
「おはよう」
軽くキスを交わして
「起きるか?」
「そうだね」
先にベッドから降り
「シャワー浴びてくる」
「うん」
裸でベッド脇に立つ漣が
「一緒に浴びるか?」
「な、なに言ってんのよ。入るわけないでしょ。先に浴びて来なさいよ」
「ククク…だって熱っぽい目で俺を見てるから」
「ば、馬鹿!」
もう! 頭から布団を被る。
「ククク…はいはい。先に入ってくるから」
布団越しに頭を撫でてバスルームに消えて行った。
ベッドから上半身を起こし
あ、夕べバスタオル一枚でバスルームから運ばれて来たんだった。
下に落ちているバスタオルを巻き付けて
このまま服を着るのも何だか愛し合った残り香がありそうで…
漣が出たら私もシャワーを浴びよう。
窓から外を見ると今にも雨か雪が降りそうな鈍色の空。
同じ降るなら雪がいい。
このパリの街のクリスマスには雪が似合う。
そして今の私の気持ちにも深々と降る雪の方が。
もう逃げないと決めた。
漣の傍にいると決めた。
みんなに反対されると思ってた。
でも、そうじゃなかった。
そりゃ諸手を挙げて賛成してくれる人ばかりじゃないのは分かっている。
もしかしたら叩かれるかも知れない。
でも、漣が『闘う』って言うのなら私も『闘う』
私なりに。
漣と出逢って半年
逢う度、日を重ねる度に蓮への想いは強くなる。
愛しくなる。
静かに雪が降り積もるように愛が心を体を満たす。