Love Game
朝食を終えて
「俺、着替えて来るわ」
あ、そうか。
私は着替えたけど漣は夕べのままだもんね。
「瑞希、いつまでパリにいる予定してたんだ?」
「あ、うん。一応お正月もパリで過ごす予定で」
「じゃあ3日くらいまでホテル予約入れてんの?」
「うん」
「そっか。じゃあ着替えて来るから待ってて」
「うん」
ドアを開けて
「逃げ出すなよ」
「……」
「瑞希?」
「これからメイクするから逃げ出す時間ないと思う」
「ん」
チュッ!
頬にキスをして出て行った。
やっぱりまだ私が逃げ出すって心配してんのかな?
ごめんね、漣。 不安な気持ちにさせて。
簡単にメイクを済ませて暫くすると漣が戻って来た。
「瑞希」
「うん?」
「瑞希の携番とアドレス教えてくんないか?」
あ、そう言えば携帯を新しくしたから番号もアドレスも全て変えた。
「ごめん」
「謝るのは後。俺の番号」
「ごめん!入れてない」
「……」
「も、もう終わりだと…連絡しないって決めてた。番号やアドレスがあったらどうしてもかけたくなるから」
でも削除はしても漣の番号もアドレスも覚えてはいた。
忘れたくても忘れられなかった。
「ごめん」
「瑞希」
俯いてしまった私の顎に手をかけて顔を上げ
チュッ!
唇にキス。
「漣」
「『ごめん』って言ったらキスするって言ったろ」
「……」
「な」
悪戯っぽくウインクして
「では、瑞希さん改めまして携帯電話の番号とアドレスを交換して頂けないでしょうか?」
ポケットから携帯を取り出す。
「はい。こちらこそお願いします」
私も漣に合わせて携帯を。