Love Game


RuRuRuRu

私の携帯が鳴り出した。

慌てて漣の膝から降り、テーブルに置いた携帯を取り上げる。

液晶を見ると…

この番号は…

通話ボタンを押すと

『瑞希さん!』

「……」

『瑞希さんでしょ?』

「絵梨香ちゃん…どうして」

この携帯の番号を知ってるの?

「俺がさっきメールで教えた」

漣…

『瑞希さん』

「絵梨香ちゃん、ごめん。本当にごめんなさい」

『もう…瑞希さん馬鹿なんだから。どんだけ心配したか』

「ごめん、ごめんなさい」

謝ることしか出来ない。

『瑞希さん、漣君と仲直り出来たんだよね?』

「う、うん」

『それならもういい。瑞希さんが元気で漣君と元に戻ったなら』

「絵梨香ちゃん…ありがとう」

『帰って来てくれないと困るんだからね。瑞希さんは私の専属なんだから』

「うん」

『これだけいっぱい心配させたんだからお土産期待しちゃうからね』

「うん」

『瑞希さん』

「うん?」

『よかった。本当によかったね』

「絵梨香ちゃん…」

「絵梨香」

私の手から携帯を取り

『漣君』

「今、瑞希の目、大洪水だからまともに話せない」

『……』

「落ち着いたらまたかけるから」

『フフフ…もういいわよ。瑞希さんの声が聞けたから』

「ん。あ、矢野さんに」

『大丈夫。ちゃんと話しておくから』

「サンキュー」

『漣君、瑞希さんと素敵なクリスマスを』

「そっちこそな」

『うん。じゃあね』

「あぁ」

携帯を切って私が泣き止むまでそっと抱きしめてくれた。



< 513 / 539 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop