Love Game
「あ、ありがとう。なんとか涙止まったみたい」
「ん」
泣いている間中、ずっと耳元で慰めてくれていた。
だけど涙って際限がないみたい。
夕べ漣に再会して以来、私ったら泣きどおしだ。
そんなに泣くタイプじゃないと自分では思ってけど…違ったみたい。
「どうする?」
「えっ?なにが?」
「ん。ぼちぼち昼になるけど、またルームサービスにする?それともこのホテルのレストラン?それとも外に出るか?」
「外に出て…大丈夫なの?」
マスコミ追いかけては来てないとは思うけど。
日本人もたくさん いるよね。
「大丈夫だって。それにコソコソしてるより堂々としてる方が案外目立たないんだよ」
前にもそんなことを言ってたことがあったよね。
「外に出よう。せっかくパリのクリスマスなんだから。ね」
「う、うん」
私も漣と一緒にいるって決めた時から覚悟は出来ている。
でも出来るだけ何もないのに越したことはない。
だけど漣もせっかくパリに来てホテルに閉じ籠りっぱなしなのは可哀想。
「うん、街に出ましょう」