Love Game
なんとなく手持ちぶさたでテレビをつけるとクリスマスコンサートが放送されていた。
曲に合わせて各国のクリスマスの映像が映し出されて…
なんだか幸せな穏やかな気持ち。
「ん?笑ってるけど何がおかしい?」
漣が背後から
「ビックリした。寝室を出て来たのに気づかなかった」
漣に向き直って
「漣!」
「ん?」
白のシャツに黒と見間違うような濃い青のスーツに濃いめのワインレッドのネクタイ。
「スーツ…持ってきてたの?」
「ん、あ、これ?昨日、いや着いたのは一昨日か。買った。瑞希を待ってる間に」
「……」
「着いてから気づいたんだ。瑞希と初めて過ごすクリスマスだからちゃんと決めたいって。急いで荷造りしたから服のことまで気が回らなかったし」
「漣…」
「お互い無駄にならなくてよかったな」
「えっ?」
「そのドレス、俺とクリスマスを過ごす為に買ったんだろ?」
「えっ?も、もしかして絵梨香ちゃん」
バラしたの?
「絵梨香?いや、何も聞いてないけど。…そっか、絵梨香と一緒に選んだのか」
墓穴掘ったみたい。
「う、うん。クリスマスくらいオシャレしてもいいかなって。でも馬鹿だね」
「ん?」
「日本じゃ…東京じゃ着れなかったよね、考えたら」
例えレストランじゃなく、こんな風にホテルで2人きりでってなっても日本じゃどこからバレるか分からない。
思い出したくもないけどストーカーみたいに張り込まれてては。
「こうして日本じゃなく…東京じゃなくパリで過ごすんだから無駄にならなくてよかったな」
「漣…うん、そうだね」
抱き寄せられ、唇が…