Love Game
「どうした?口に合わないか?」
「えっ?」
顔を上げると心配そうな漣。
「あ、ごめん。違うのよ。このお料理が美味しいから」
「ん?」
今、考えていたことを話すと
「クククク…なにそれ?でもなんか瑞希らしい」
「……」
私らしいって…
「時々変なことに感心するよな。それだけ感性が鋭いのかな」
「そんなことないよ。絶対漣の方が感性が鋭いよ」
役の捉え方やポーズの決め方、服の着こなしとか見てるとつくづく思う。
だからトップモデルだし俳優としても引っ張りだこなんだ。
「そんなことはないけど」
感性なんてある程度は持って生まれたもの。
本人には分からないよね。
何故かクリスマスの甘いムードじゃなく『感性』とは、からお互いの仕事の話しになっていった。
確かに私は漣のスタッフだしある程度は分かるけどドラマ現場の細かいことまで分からない。
それを漣の口から聞くのが楽しい。
ハードで大変なことも多いようだけど、なにより漣が生き生きと話しているから。
漣が俳優って仕事が好きなんだって伝わってくる。
「モデルって仕事も好きだよ。始めた頃はただ服を着て写真を撮られるってだけだったけど、段々この服を雑誌やテレビで見ている人に『あの服いいね』とか『俺も着たいな』って思わせたくなった。服に着られてるんじゃなく如何に着こなせるかって考えるようになっていった。服に負けたくないって」
「……」
漣…
初めはアルバイト感覚で始めたモデルかも知れないけど今では誇りを持ってやってるんだね。
そして…自分から向かっていくんだね、何事も。
最近は草食系男子が流行ってるけど、 貴方は完全なる肉食系男子だね。