Love Game
「…ブレスレット」
「うん。漣、このブランドのネックレスや指輪をしてるから好きなのかなと思って」
ブレスレットをしているのは見たことなかった。
あ、でも
「漣ってブレスレットもしかしたら嫌いだった?」
だから見たことがなかったのかな。
「いや、嫌いじゃないよ。店に行った時に欲しいと思ったのがネックレスやリングだったからそっちを買っただけで。これ…嬉しいよ。ありがとう」
「うん」
「はめてくれる?」
「えっ?」
「瑞希、はめて」
私の手にブレスレット。
漣が左手を差し出して…
「これでいい?」
漣の腕に。
「ん。似合う?」
「うん、似合ってる」
手首を掲げて灯りに照らし嬉しそうに。
その顔を見れただけで私も嬉しい。
「あ、それと」
クローゼットから紙袋を取り出して
「はい」
「ん?」
漣に押しつける。
「パリのお土産」
「えっ?」
「うん、クリスマスプレゼントとは別にお土産も買ったの。渡せてよかった」
「…見てもいい?」
「うん。漣にお土産だもん」
パリにいて『パリ土産』って言うのもおかしいんだけど。
紙袋を開けて
「これは?」
大きい方の包みを取り出して
「ジャケット」
「うん。堅苦しくなくてラフな感じだったから似合うかなって」
「ありがとう。こっちは」
まるで子どものように…
「トワレ」
「うん。漣シトラス系のを使ってるから」
「覚えてくれてたんだ」
「鼻はいい方なんで」
「俺も知ってるよ。瑞希もシトラス系を使ってるのを」
「うん」