Love Game
「はい」
「ありがとう」
プルトップを開けて
「おかえり」
缶を掲げてから飲む。
漣も同じように
「ただいま」
一口飲んで
「はぁ~美味い」
美味いって2本程空き缶があるんですけど。
「漣君」
「ん?」
「空港から此処へ?家に帰ってないの?」
「ん。空港から予約して直接来た」
「じ、じゃあ疲れてるでしょう?寝れてないだろうし」
「…何が言いたいの?」
「えっ?」
穏やかだった瞳が厳しくなった。
「あ、いや 今言った通り疲れてるでしょう」
「疲れもピーク過ぎるとアドレナリンが出過ぎてハイ状態になる」
「……」
ハイ状態って
私をじっと見て
「瑞希さん」
「は、はい」
「そんなに怖がらないで」
「怖がってはいないけど」
「けど?何?」
「……」
「ん?」
髪を撫でてる。
「漣君、急に迫るから」
「……」
「い、いきなり…その…迫られたら驚くと言うか」
どう言えばいいのよ。
ズバリ『襲うな』って言えばいいの?
「あ、ごめん。焦ってた」
「えっ?」
「だって瑞希さんと逢うのほぼ2週間振りだから」
「……」
「ホントごめん」
頭を下げてる。
あら!
可愛いとこあるのね。
「もういいから。ね、頭を上げて」
「ん。あ、瑞希さん風呂入ったら。俺はもう入ったから」
「あ、うん。て、漣君入ったのにちゃんと服着てるんだね。パジャマじゃなく」
「ククク…パジャマだったら瑞希さん引くでしょ」
確かに。
「それとも一緒に入りたかった?」
「ば、馬鹿」
「ククク…瑞希さん真っ赤」
「もう!お風呂入って来る」
ソファーから立ち上がりバスルームへ
「ククク…ハハハ…」
漣の笑い声が追っかけて来る。