Love Game



「はい、出来ました」

「ありがとうございます」

メイク室を出る前に瑞希を見るが断固として無視してる。

でもその顔は少し青白く…

スタジオに入って撮影が始まった。

メイク直しを瑞希がしてくれるが一切目線を合わせない。

撮影が終わってみんなと食事に行っても。

あわよくば話す機会が有るかなと思ったんだが完全に無視を決め 込んでる。

暫くして

「あれ、瑞希さんは?」

絵梨香が神部先生に

「お手洗いじゃないかしら」

「そっか」

手洗い…

行けば少しは話せるか。

俺はそっと席を立った。

――



う、うん?

手洗いの前で瑞希が誰が男と話してる。

他の客に絡まれてんのか?

瑞希に触れようとしてるし

「瑞季さん、遅いからみんな迷子になったんじゃないかって心配してるよ」

瑞希の後ろから声を掛けた。

2人ともに驚いたように俺を見る。

瑞希の顔は…真っ青だ。

いったい…

とにかくこの男と引き離さないとやばいと俺の本能が訴える。

「迷子になったら困るから一緒に戻るよ」

瑞希の肘を掴んで

「ね」

有無を言わさず

「ありがとう。じゃぁさよなら。お幸せに」

…知り合いなんだ、この男と。

部屋に戻ろうと歩き出し、あの男の事を聞こうとするが絵梨香のマネージャーの杉田さんの邪魔が入り瑞希は渡りに舟とばかりに俺から離れて行った。

どうしたら瑞希と話せる?



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