Love Game
「店で会ったあの男。瑞希さんに迫ってた」
「……」
「彼氏?」
「…元ね」
「……」
「私が忙しいから疲れたって…いつも側にいてくれる人が出来たからってふられた」
「えっ?」
「ハハハ…それも嘘だったみたい。別れて2ヶ月経つか経たないかで結婚してたから聞いたら赤ちゃんが相手に出来たから結婚したって。失敗したって言ってた。早い話しが二股掛けて遊んでたわけ。私が忙しいからバレないと思ってたらしいわ。まさか赤ちゃんが出来るなんてって。赤ちゃんが出来たことを言うより私が忙しいから疲れたって…暗に私が悪いように…」
涙が出てきた。
「瑞希さん…まだアイツのこと」
「まさか。自分の馬鹿さ加減に嫌気が差したの。愛されてると思ってた。だけどあの人には私は都合のいい女でしかなかった。会えない日が多いから自分は好き勝手に遊んで。もしバレたら私が忙しいからって言い逃れしたらいいって…悪いのは私だって」
「瑞希さん、もういいから…泣かないで」
抱き寄せて
「ごめんなさい。泣いたりして…あまりにも情けないから」
「瑞希さんが悪いわけじゃないから。あの男が馬鹿なんだから。 瑞希さん今度アイツが何か言ってきたら俺に言って。ぶん殴ってやる」
漣の顔が怖い。
「フフフ…ありがとう。でも大丈夫。私が殴るから」
「瑞希さん強いから」
「うん」
やっぱり私は『強い女』なんだ、漣にとっても。
でも涙は止まらなくて 漣はずっと抱きしめてくれてる。
その腕は、頬に触れた胸は温かくて…