Love Game
「あ、それから」
「えっ?」
急に何?
「絵梨香のことだけど」
「絵梨香ちゃん?」
何で絵梨香ちゃんが…
「瑞希さん、仲いいんだよね」
「あ、うん」
「恋人がいるのは知ってるよね?俺だと勘違いしたくらいだし」
「……」
「また勘違いされたら嫌だから言っとく。たぶん絵梨香も瑞希さんを信用してるから怒らないし…てか知ってほしいって思ってるだろうし」
「えっ?」
漣は知ってるの?
絵梨香ちゃんの彼氏のことを。
「矢野さん」
「えっ?」
「俺のマネージャーの矢野さんなんだよ。だからひた隠しに隠してる」
矢野さんが!
あ、だから夕べあれだけ一緒に飲みにって。
方角が同じだから一緒の車に乗ったんじゃないんだ。
「俺と絵梨香、同じ事務所だろ。年も近いし割と仲いいんだよね。だから変な話しなんだけど俺が隠れ蓑になってるつうか、噂が立っても気にしてない。返って好都合だし」
「好都合?」
「ん。事務所も知らないんだよね、あの2人が付き合ってんのは。まぁ、まだ俺との噂の方が事務所としても安心みたいだし。何もないのは知ってるしね」
「……」
「俺も絵梨香と恋人だって噂があれば…あんまり女も近寄って来ないしいいんだよね。まさか瑞希さんに疑われるとは思わなかったけど。昨日あの2人が一緒に帰るのを瑞希さん見てるから…絵梨香としては瑞希さんにはバレてもいいと思ってるんだと思うよ 」
「知ってるのは漣君だけなの?」
「『漣』だよ。そう、俺だけが知ってんの。瑞希さんに打ち明けたから2人の秘密になったけど」
「……」
そうなんだ。
絵梨香ちゃんの彼は矢野さんか。
優しくて気配り出来て頭もいいし、カッコもいいしね。
案外お似合いだわね。
「誰にも内緒だからね」
「うん、分かった」
「ん」