君に捧げる恋歌
「あっ、どうも。」
急に恥ずかしくなって俯く、しかもどうもで声が裏返ってしまった。
彼は苦笑いしながら、「また会ったね」と返してくれた。
そのままステージに飛び乗ってケースからギターを手に取り弾き始める。
「あの、ここで聞いててもいいですか?」
彼は私の顔を見て、顔を縦にふる。
私は、昨日座った同じ椅子に腰を掛けて彼のギターを聞いていた。
二人の間ではギターの音。
舜が目を瞑ったので私も目を瞑った。