君に捧げる恋歌


「泣きたい時は思いっきり泣くのが一番。お母さんが舜を置いて出て行った理由を本人から直接聞いたわけ?多分舜のお母さんは、お父さんを亡くした事で周りが見えなくなっていたんだよ。決して舜の歌で出て行ったわけじゃないと思う。何か理由があったんだよ。それで歌を歌いたくないなんて言わないで。舜がお父さんみたいになりたいって思うなら同じことをすればいいじゃない。この前、私の前で歌ってたじゃん。もう一度聞かせて。舜が勇気を出して歌おうと思えば、平気になるよ。私は舜の大事な人じゃなくてもいなくならない。ずっとそばにいる。何があっても。」


「っ…何でお前まで泣いてんだよ。」


泣いてる?


私は頬に手を当てた。


私感情的になっていつのまにか泣いてたみたい。


舜の悲しい過去を知って、泣いてる舜を見て私も一緒に涙が出たのかもしれない。


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