君に捧げる恋歌
「今はこのままでいさせて。」
耳元で囁く舜。
私は言葉じゃなく、頷いて返事を返す。
時間が止まってしまえば、ずっとこのままでいられるのに。
だけど、時間が止まってくれるはずはなく舜は私から離れた。
「帰ろう。」
そう言うと、彼は立ち上がり私に手を伸ばす。
私はその手を手に取り、立ち上がる。
二人共、手を繋いだまま自転車が置いてあるところに向かう。
「送ってく。」彼がそれだけ言葉にし私を荷台に乗せた。