㈱恋人屋 TWICE！
最初は復讐のために始めた仕事だったのに、今では日常の大部分になっている。

さまざまな出会いが、私を変えて行った。

私が入社したころの班長だった結城友也(ユウキ・トモヤ)先輩や、頼れるお姉さん的存在の長岡京子(ナガオカ・キョウコ)先輩。トップレベルの仕事実績を持ち、いろいろと相談相手になってくれていた鷺宮翔太(サギミヤ・ショウタ)先輩、熱い思いを持って仕事をしていた火藤龍樹(カトウ・リュウキ)先輩、クールでよく分からないけど魅力を感じる氷室来斗(ヒムロ・ライト)先輩。そして、私と同期の社員で、今の私にとって一番大切な人、菜月くん。

仲間に囲まれて生きてきた日々は、幸せだった。

だから、この仕事をしばらく休まなきゃいけないということが、辛かった。

そんな感情が、顔に出ていたんだろうか。

「どうかしたんですか？」

紘輔さんが、私に問いかけてきた。

「あ、いえ、その…何でもないです。」

こんなことを言ったところで、何も変わらないし、第一紘輔さんにも迷惑だ。

「何でもないことないじゃないですか。思いつめたような顔してますよ。」
「…。」
「何か悩んでることがあるんだったら、僕が聞きますよ。今は、紗姫さんの恋人は僕なんですから。」
「…休むのが、辛くて…。何かこう、穴があいたような気持ちになって…。」

上手く説明できなかったのだが、ちょっとだけ楽になれた気がする。

「…って、すいません、こんな話…聞くの面倒ですよね…。」
「そんなことないです。」

紘輔さんが私の頭を撫でた。
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