㈱恋人屋 TWICE!
「…何故ここに…?」
明也さんは驚いた表情で私を見ている。
「生放送って、自分の居場所を知らせているようなものですよ? 私が見つけられないわけないじゃないですか。」
「弱りましたね…。まさか逆襲に来るとは…。」
「ずいぶんあっさりと認めるんですね?」
「ええ。隠しても仕方がありませんから。」
明也さんは引きつったように笑っていた。どことなく不気味だ。
「…さて、ではこの辺で失礼しますよ!」
私と自動ドアの端との隙間をすり抜け、明也さんは外へと走り出した。
「逃がさないからっ…!」
私も後を追う。
「追いかけまわすだけ無駄ですよ、紗姫さん! その汗から察するに、かなりの距離を走ってきたのでしょう? だったらそろそろ限界が来るはずです!」
細い路地を走りながら、明也さんは前を向いて言う。…その通り、私はうっすらと血の味を覚えていた。
何かの非常階段を駆け降りる。下は暗くて見えづらい上に、鉄製なので滑りやすい。だが用心深く降りていると、明也さんとの差はどんどん大きくなってしまう。
「…きゃっ!?」
しかしながら、急ぎ過ぎるとこうなってしまう。足を踏み外した私は、本来歩くべき角度とは垂直な方向に体を向けていた。
「お…落ちる…。」
このままだと、命が危ない。私だけじゃない。お腹の中にいる赤ちゃんもだ。
「助けて…!」
一心に、念じた。
明也さんは驚いた表情で私を見ている。
「生放送って、自分の居場所を知らせているようなものですよ? 私が見つけられないわけないじゃないですか。」
「弱りましたね…。まさか逆襲に来るとは…。」
「ずいぶんあっさりと認めるんですね?」
「ええ。隠しても仕方がありませんから。」
明也さんは引きつったように笑っていた。どことなく不気味だ。
「…さて、ではこの辺で失礼しますよ!」
私と自動ドアの端との隙間をすり抜け、明也さんは外へと走り出した。
「逃がさないからっ…!」
私も後を追う。
「追いかけまわすだけ無駄ですよ、紗姫さん! その汗から察するに、かなりの距離を走ってきたのでしょう? だったらそろそろ限界が来るはずです!」
細い路地を走りながら、明也さんは前を向いて言う。…その通り、私はうっすらと血の味を覚えていた。
何かの非常階段を駆け降りる。下は暗くて見えづらい上に、鉄製なので滑りやすい。だが用心深く降りていると、明也さんとの差はどんどん大きくなってしまう。
「…きゃっ!?」
しかしながら、急ぎ過ぎるとこうなってしまう。足を踏み外した私は、本来歩くべき角度とは垂直な方向に体を向けていた。
「お…落ちる…。」
このままだと、命が危ない。私だけじゃない。お腹の中にいる赤ちゃんもだ。
「助けて…!」
一心に、念じた。