㈱恋人屋 TWICE!
「ぐっ…!」
目をつぶった瞬間、歯を食いしばるような明也さんの声が聞こえた。…体に、覚悟していた衝撃が来ない。代わりに私は腕を掴まれ、足は地面についていた。
「…えっ…?」
目を開けると、仰向けになって私の腕を掴んでいる、明也さんがいた。
「やっぱり、助けちゃいましたね…。」
「…何で…?」
明也さんは、私の財産を奪っていった人なのに…。
「やっぱり、紗姫さんを傷つけたままにするなんて酷いことはできませんよ。社長を裏切ることにはなりましたけど、しょうがないです。」
「社長って…?」
明也さんは私の腕を掴んだまま器用に立つと、咳をした。
「…紗姫さんのお父さん、と言った方が分かりやすいですか?」
「なっ…!」
また、あの人が一枚噛んでいたのか…。
「…今日のことも、本当はあの人に脅されてやったんです。紗姫さんが邪魔だから、とにかく色んなものを奪ってこいって。そうじゃなきゃ…お前が結婚詐欺師だってことを世間に公表するって言われました。
「結婚詐欺師…。」
「…ええ。」
二度と聞きたくない言葉が、最悪のタイミングで出てきた。
「僕…結婚詐欺師をやってるんです。」
「脅されて…ですよね?」
「いえ。…最初は、僕自身の意志でした。」
明也さんは目線をそらした。
目をつぶった瞬間、歯を食いしばるような明也さんの声が聞こえた。…体に、覚悟していた衝撃が来ない。代わりに私は腕を掴まれ、足は地面についていた。
「…えっ…?」
目を開けると、仰向けになって私の腕を掴んでいる、明也さんがいた。
「やっぱり、助けちゃいましたね…。」
「…何で…?」
明也さんは、私の財産を奪っていった人なのに…。
「やっぱり、紗姫さんを傷つけたままにするなんて酷いことはできませんよ。社長を裏切ることにはなりましたけど、しょうがないです。」
「社長って…?」
明也さんは私の腕を掴んだまま器用に立つと、咳をした。
「…紗姫さんのお父さん、と言った方が分かりやすいですか?」
「なっ…!」
また、あの人が一枚噛んでいたのか…。
「…今日のことも、本当はあの人に脅されてやったんです。紗姫さんが邪魔だから、とにかく色んなものを奪ってこいって。そうじゃなきゃ…お前が結婚詐欺師だってことを世間に公表するって言われました。
「結婚詐欺師…。」
「…ええ。」
二度と聞きたくない言葉が、最悪のタイミングで出てきた。
「僕…結婚詐欺師をやってるんです。」
「脅されて…ですよね?」
「いえ。…最初は、僕自身の意志でした。」
明也さんは目線をそらした。