㈱恋人屋 TWICE!
しかし、全く私の方は向かず、ただ高らかに笑うだけだった。
「聞いたか? 紗姫は自分の身を呈してまで、お前を守りたいそうだぞ? 愚かだな! 自分が消えれば何もかも失うというのに、守るなどもってのほかだと思わんかね!? お前も残念だったな! こんな愚かな紗姫と結ばれて! 父親として詫びよう!」
「…紗姫、だって?」
「何?」
菜月くんの口が開かれる。
「今、紗姫って言ったよな?」
「そうだが、何だ?」
「…お前が紗姫って呼ぶなぁぁぁ!」
引き金に当てられた人差し指に、わずかながら血管が浮き出ていた。
「お前に…紗姫なんて呼ばせない! 紗姫はお前のものじゃない、俺の大切な人だ! それをお前みたいな腐れ外道に、紗姫なんて呼ばれたくな…。」
一発の銃声が、菜月くんの声を遮った。
放たれた銃弾は、手の震えにより軌道が揺れ、菜月くんの腹部に命中した。
しかし、その刹那。もう一発の銃声が、今度は会議室の外から聞こえた。
「なっ…!?」
銃を持ったまま左肩を押さえ、目が見開かれる。私と菜月くんも会議室のドアの方を見る。そこには…。
「すみません、突入するのが遅くなりました。」
後ろに機動隊を率いた、真守さんがいた。
「馬鹿な…何故警察が!?」
「鯉ヶ島さん、あなたがパイプを繋いでいた人間は、もうほとんど警察には残ってないんですよ。何せこうやって、突入許可が出る位ですから。」
「聞いたか? 紗姫は自分の身を呈してまで、お前を守りたいそうだぞ? 愚かだな! 自分が消えれば何もかも失うというのに、守るなどもってのほかだと思わんかね!? お前も残念だったな! こんな愚かな紗姫と結ばれて! 父親として詫びよう!」
「…紗姫、だって?」
「何?」
菜月くんの口が開かれる。
「今、紗姫って言ったよな?」
「そうだが、何だ?」
「…お前が紗姫って呼ぶなぁぁぁ!」
引き金に当てられた人差し指に、わずかながら血管が浮き出ていた。
「お前に…紗姫なんて呼ばせない! 紗姫はお前のものじゃない、俺の大切な人だ! それをお前みたいな腐れ外道に、紗姫なんて呼ばれたくな…。」
一発の銃声が、菜月くんの声を遮った。
放たれた銃弾は、手の震えにより軌道が揺れ、菜月くんの腹部に命中した。
しかし、その刹那。もう一発の銃声が、今度は会議室の外から聞こえた。
「なっ…!?」
銃を持ったまま左肩を押さえ、目が見開かれる。私と菜月くんも会議室のドアの方を見る。そこには…。
「すみません、突入するのが遅くなりました。」
後ろに機動隊を率いた、真守さんがいた。
「馬鹿な…何故警察が!?」
「鯉ヶ島さん、あなたがパイプを繋いでいた人間は、もうほとんど警察には残ってないんですよ。何せこうやって、突入許可が出る位ですから。」