㈱恋人屋 TWICE!
「だけど、それは本当の恋じゃない。蒸し返すことになるかもしれないけれど、俺達の経験してきた恋は、ある意味汚されていた。…だから、もっと可能性に溢れた恋をしてほしいって思って。だから『可恋』。どうだ?」
「…。」
可能性に溢れた恋…。
普通の人なら当たり前にするはずのことを、私達は忘れていたのかもしれない。
もしそうなら、そんな間違ったことをこの子に教えたくはない。
親となる私達に、今の段階でできることは。
願いを込めた名前をつけてあげること、それくらいだ。
「…いいと思う、その名前。」
そして…。
「…そろそろね…。」
大きく膨らんだお腹を抱えながら、私は病院のベッドで横になっていた。さっきから数回、陣痛と思しき痛みが来ている。
「今は大丈夫ですか?」
「はい。…でももう少ししたら、多分もう一度来ると思います…。」
隣の看護師さんが、状態を優しく聞いてくれる。
今日は、私の出産予定日。
ちらちらと雪が舞い始める季節に、新海家は新たな家族を迎え入れようとしていた。
菜月くんは仕事中のようだが、切り上げてすぐに病院に来てくれるそうだ。
私は、不思議なくらいに安心感を覚えていた。
「…。」
可能性に溢れた恋…。
普通の人なら当たり前にするはずのことを、私達は忘れていたのかもしれない。
もしそうなら、そんな間違ったことをこの子に教えたくはない。
親となる私達に、今の段階でできることは。
願いを込めた名前をつけてあげること、それくらいだ。
「…いいと思う、その名前。」
そして…。
「…そろそろね…。」
大きく膨らんだお腹を抱えながら、私は病院のベッドで横になっていた。さっきから数回、陣痛と思しき痛みが来ている。
「今は大丈夫ですか?」
「はい。…でももう少ししたら、多分もう一度来ると思います…。」
隣の看護師さんが、状態を優しく聞いてくれる。
今日は、私の出産予定日。
ちらちらと雪が舞い始める季節に、新海家は新たな家族を迎え入れようとしていた。
菜月くんは仕事中のようだが、切り上げてすぐに病院に来てくれるそうだ。
私は、不思議なくらいに安心感を覚えていた。