㈱恋人屋 TWICE!
出産した経験なんてないから、どんな痛みが来るのかは正直なところ分からない。だけど、きっと耐えられる。その根拠のない自信が、いつの間にか心を満たしていた。
「…来た…!」
しかし、それは突然やって来た。
今までのものとは種類の違う、激しい痛み。足が根元から裂けそうになる。
「新海さ~ん? 大丈夫ですか~?」
テレビでたまに見る出産時の映像の中の看護師さんと同じような聞き方。こういう聞き方をした場合…。
もうすぐ、産まれる…。
「紗姫!」
革靴の奏でる固く速い足音とともに、菜月くんが分娩室へ入って来た。
「あ…菜月くん…。」
菜月くんは持っていた荷物をその場に置くと、すぐに私の手を取った。
「大丈夫か?」
「うん…もうすぐ産まれるっぽい…。」
足の間に何かが挟まっているような感覚を、脳がはっきりと認識している。
「酸素マスクつけますね~。」
私の鼻と口を、これまたテレビで見るような半透明のマスクが覆う。いくらか呼吸がしやすくなる、というか、個人的には強制的に酸素を取り込まされているような感じだった。
「…来た…!」
しかし、それは突然やって来た。
今までのものとは種類の違う、激しい痛み。足が根元から裂けそうになる。
「新海さ~ん? 大丈夫ですか~?」
テレビでたまに見る出産時の映像の中の看護師さんと同じような聞き方。こういう聞き方をした場合…。
もうすぐ、産まれる…。
「紗姫!」
革靴の奏でる固く速い足音とともに、菜月くんが分娩室へ入って来た。
「あ…菜月くん…。」
菜月くんは持っていた荷物をその場に置くと、すぐに私の手を取った。
「大丈夫か?」
「うん…もうすぐ産まれるっぽい…。」
足の間に何かが挟まっているような感覚を、脳がはっきりと認識している。
「酸素マスクつけますね~。」
私の鼻と口を、これまたテレビで見るような半透明のマスクが覆う。いくらか呼吸がしやすくなる、というか、個人的には強制的に酸素を取り込まされているような感じだった。