㈱恋人屋 TWICE!
「…よく飲むよな…。」
私の胸に吸いつく可恋の姿をまじまじと見ながら菜月くんが言う。
「菜月くんだって、お義母さんのを同じくらい飲んでたのよ?」
「俺が? そんなわけ…。」
「そんなわけあるわよ、菜月。」
突然の来訪者に、菜月くんが驚いて振り返る。
「遅くなってごめんなさいね、紗姫ちゃん。本当は電話があった十秒後にでも来たかったんだけど…。」
「お気持ちだけでも嬉しいです、お義母さん。」
菜月くんはさっきの発言でばつが悪くなったのか、可恋の姿をじっと見ていた。
「名前…可恋ちゃん、だっけ?」
「はい。」
「いい名前ね~。やっぱり紗姫ちゃん、色んなところでセンスあるわ~。」
「…それ、俺が考えたんだけど?」
「何言ってんの。菜月がそんなかわいらしい名前つけられるわけないでしょ~?」
「お義母さん、これ、本当の話なんですけど…。」
「あら、そうだったの?」
お義母さんはオホホと笑っている。
「全く…。…それにしても、産まれてきたのが女の子でよかったよな。」
「どういうこと?」
「だって、もう名前を『可恋』って決めたんだ。検査ではそうだったらしいけど、もし産まれてきたのが男だったらどうする? こんなに女子っぽい名前、恥ずかしいだろ。」
「あら? じゃあ菜月、自分の名前を恥ずかしく思ってるの?」
「どういう意味だよ?」
「だって『菜月』よ? 響きこそ大丈夫だけど、字の並びを見てみたら十分女の子じゃない。」
「あ、言われてみれば…。」
確かに、「菜月」という字の並びで男子とは珍しい。最初に会った時から、ちょっとだけだが気になっていた。
私の胸に吸いつく可恋の姿をまじまじと見ながら菜月くんが言う。
「菜月くんだって、お義母さんのを同じくらい飲んでたのよ?」
「俺が? そんなわけ…。」
「そんなわけあるわよ、菜月。」
突然の来訪者に、菜月くんが驚いて振り返る。
「遅くなってごめんなさいね、紗姫ちゃん。本当は電話があった十秒後にでも来たかったんだけど…。」
「お気持ちだけでも嬉しいです、お義母さん。」
菜月くんはさっきの発言でばつが悪くなったのか、可恋の姿をじっと見ていた。
「名前…可恋ちゃん、だっけ?」
「はい。」
「いい名前ね~。やっぱり紗姫ちゃん、色んなところでセンスあるわ~。」
「…それ、俺が考えたんだけど?」
「何言ってんの。菜月がそんなかわいらしい名前つけられるわけないでしょ~?」
「お義母さん、これ、本当の話なんですけど…。」
「あら、そうだったの?」
お義母さんはオホホと笑っている。
「全く…。…それにしても、産まれてきたのが女の子でよかったよな。」
「どういうこと?」
「だって、もう名前を『可恋』って決めたんだ。検査ではそうだったらしいけど、もし産まれてきたのが男だったらどうする? こんなに女子っぽい名前、恥ずかしいだろ。」
「あら? じゃあ菜月、自分の名前を恥ずかしく思ってるの?」
「どういう意味だよ?」
「だって『菜月』よ? 響きこそ大丈夫だけど、字の並びを見てみたら十分女の子じゃない。」
「あ、言われてみれば…。」
確かに、「菜月」という字の並びで男子とは珍しい。最初に会った時から、ちょっとだけだが気になっていた。