㈱恋人屋 TWICE!
「スー、スー…。」
家のベビーベッドで、可恋が静かに寝息を立てる。
「よかった、寝たみたい。」
「でもすぐ起き出すだろ?」
「その時はその時。何で泣いてるのか、見てあげればいいんだから。」
「そんなこと言って、ここ数日まともに寝てないだろ? 大変だよな…。」
「いいの。今はそういう時期だから。きっと後になったら、もう少しゆっくりできると思うし、可恋も私達のこと、少しだけでも分かると思うから。」
そしてその予想は、的中したのだった。
可恋が産まれてから、七年後。
「『わたしのおかあさん』、いちねんにくみ、しんかいかれん。」
可恋が原稿用紙を持ち、大きな声で読み上げる。
可恋の学校の授業参観に参加するのは、これで二回目。
普段はあまり学校でのことを喋らないので、一回目の授業参観の時に初めて分かったことなのだが、可恋は小さい頃の私によく似て、クラスでは割と人気者だった。男女問わず「かれんちゃん」と呼ばれ、当の本人も嬉しそうに満面の笑みで応えていた。
そして今回の授業参観では、クラス全員が、自分の親についての作文を読み上げるという特別授業が行われた。可恋は果たして、何を書いたのだろう。
家で見ようと思っても、可恋は絶対に見せてくれなかった。
「おかあさんにはないしょ!」
これが、ここ数日の可恋の口癖だった。
題名を読み、クラスと名前を名乗ると、可恋は作文を読み始めた。
家のベビーベッドで、可恋が静かに寝息を立てる。
「よかった、寝たみたい。」
「でもすぐ起き出すだろ?」
「その時はその時。何で泣いてるのか、見てあげればいいんだから。」
「そんなこと言って、ここ数日まともに寝てないだろ? 大変だよな…。」
「いいの。今はそういう時期だから。きっと後になったら、もう少しゆっくりできると思うし、可恋も私達のこと、少しだけでも分かると思うから。」
そしてその予想は、的中したのだった。
可恋が産まれてから、七年後。
「『わたしのおかあさん』、いちねんにくみ、しんかいかれん。」
可恋が原稿用紙を持ち、大きな声で読み上げる。
可恋の学校の授業参観に参加するのは、これで二回目。
普段はあまり学校でのことを喋らないので、一回目の授業参観の時に初めて分かったことなのだが、可恋は小さい頃の私によく似て、クラスでは割と人気者だった。男女問わず「かれんちゃん」と呼ばれ、当の本人も嬉しそうに満面の笑みで応えていた。
そして今回の授業参観では、クラス全員が、自分の親についての作文を読み上げるという特別授業が行われた。可恋は果たして、何を書いたのだろう。
家で見ようと思っても、可恋は絶対に見せてくれなかった。
「おかあさんにはないしょ!」
これが、ここ数日の可恋の口癖だった。
題名を読み、クラスと名前を名乗ると、可恋は作文を読み始めた。