㈱恋人屋 TWICE!
そして、午後七時。

私達は会社に戻った。

「今日はありがとうございました、紗姫さん…あ、今はもう支店長って呼んだ方がいいですよね。」
「別にどっちでもいいよ。支店長って呼ばれるの、実はまだちょっと恥ずかしいんだ。」
「恥ずかしい?」
「うん。何て言うか、こう…照れちゃう、みたいな。」
「何となく想像つきます。僕は支店長になったことないから分かりませんけど。」

私は、点数を発表しなければいけない。

弥頼くんは、菜月くんに負けないくらいに最高のデートをしてくれた。だから、私は百点満点をつけたかった。

だけど、私に来たメールには、追伸があった。

「追伸。くれぐれも、百点満点はつけないようにして下さい。」

私は、どの部分で一点を落とせばいいか、まだ迷っていた。

「あの…点数って、まだ言ってくれないんですか?」
「ちょっと待ってて…。」

弥頼くんを待たせてしまっている。それが辛い。時間があるなら、もう少し考えられるのに。

この場で結論を出さなければいけない。

「…じゃあ、得点を発表します。」
「はい…。」

弥頼くんは覚悟を決めたようだった。

「得点は…九十点です。」

考えたわけじゃなかった。だけど、私の中のどこかにいる私が、決めていた。
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