㈱恋人屋 TWICE!
「あ、そういえば。」
晩ご飯を食べていると、何かを思い出したように菜月くんが言う。
「どうしたの?」
「いや、さっき駅で、前の社長っぽい人見たから…。」
「えっ…?」
前の社長。すなわち私の父であり、私の母を騙した結婚詐欺師。
「いや、気のせいだとは思うんだけどな。でも…かなり、似てた。」
「に、似てるだけだって、そんなの。だいたい、何の用があってここに来るのよ。理由ないでしょ?」
「ははっ、だよな。さ、食おうぜ。」
「うん。」
テレビでは、ニュースをやっている。
「え~、明日雨なの?」
「そっか…。支店長になってから、担当する日とかそういうのなくなったんだろ?」
「うん…。その分、いっぱい仕事できて楽しいんだけどね。こういう雨の日って、できること限られちゃうから…。」
「雨なら雨でできることもあるんじゃね?」
「う~ん、例えば?」
「…いや、今は思いつかない。」
「何よそれ~。」
その時、速報テロップが画面の上部に出た。
こういうニュースは、何故か注目してしまう。何かあったのか…?
そのテロップを見て、思わず息が止まりそうになった。それは多分、菜月くんも同じだっただろう。
「株式会社恋人屋社長・蓮野達仁(ハスノ・タツヒト)氏が死亡。自殺とみられる。」
晩ご飯を食べていると、何かを思い出したように菜月くんが言う。
「どうしたの?」
「いや、さっき駅で、前の社長っぽい人見たから…。」
「えっ…?」
前の社長。すなわち私の父であり、私の母を騙した結婚詐欺師。
「いや、気のせいだとは思うんだけどな。でも…かなり、似てた。」
「に、似てるだけだって、そんなの。だいたい、何の用があってここに来るのよ。理由ないでしょ?」
「ははっ、だよな。さ、食おうぜ。」
「うん。」
テレビでは、ニュースをやっている。
「え~、明日雨なの?」
「そっか…。支店長になってから、担当する日とかそういうのなくなったんだろ?」
「うん…。その分、いっぱい仕事できて楽しいんだけどね。こういう雨の日って、できること限られちゃうから…。」
「雨なら雨でできることもあるんじゃね?」
「う~ん、例えば?」
「…いや、今は思いつかない。」
「何よそれ~。」
その時、速報テロップが画面の上部に出た。
こういうニュースは、何故か注目してしまう。何かあったのか…?
そのテロップを見て、思わず息が止まりそうになった。それは多分、菜月くんも同じだっただろう。
「株式会社恋人屋社長・蓮野達仁(ハスノ・タツヒト)氏が死亡。自殺とみられる。」