㈱恋人屋 TWICE！

レストランで食事をした後も、アトラクション巡りは続く。

「何か暑くなってきたね…。」
「そうか？」
「ずっと日向にいるからかな…？」
「かもな。お、そろそろか。」

私達がこれから乗ろうとしているのは「スプラッシュ・バレー」という、ウォータースライダーとジェットコースターを足して二で割ったようなもの。昼下がりの暑さから解放されるにはうってつけのアトラクションだ。

「プルルルル…。」

発車の合図が鳴る。私達は安全バーを降ろし、深く席に座った。

それから二分後には、もう最後の場所に来ていた。もうすでにある程度濡れていた。

屋内に入り、辺りが暗くなる。電気はついておらず、いつ次の「濡れ」が来るか分からない。

前の方に、うっすらと光が見える。その瞬間、私達の乗ったコースターは一気に速度を上げた。

「きゃっ！？」

突然のことにびっくりしてしまう私。そして、身動きが取れないまま、私達は…。

「きゃぁぁぁ！」

かなりの角度で、水の張られたレールへと向か…落ちて行った。

「バシャァン！」

あっという間に、もうびしょぬれになってしまった。

「うぅ…寒い…。」

私が震えていると、隣の新が、着ていたジャケットを私の背中にかけてくれた。

「暑がったり寒がったり…変な奴だな、紗姫。」