㈱恋人屋 TWICE!
「…ありがと。」
「ん?」
「その…守る、って言ってくれて。」
「そんなの、当然じゃん。」
「あ…。」

顔が赤くなるのが分かり、下を向いてしまう。

「何照れてんだよ。」
「だって~…。」

いつの間にか緊張がほぐれ、笑えていた。

家に帰ると、私はパソコンを立ち上げた。

「何調べるんだ?」
「ちょっとでも情報集めようかな、って思って。」

検索ワードは「恋人屋」。これで調べるのはネット上の書き込み。

「よし、じゃあまずはこのサイト…と。」

開くと、そこには膨大な数の書き込みがあった。

「恋人屋十五人一気にリストラとかワロタ。」
「新社長は元結婚詐欺師。一流企業がこうも腐り果てるとは。」

恋人屋の外の人達は、皆この異変に気づいている。

それなのに、肝心の内部の人達が全く気づいていない。

でも、今の私には変える手段も権力もなかった。

「ふぅ…。」

私はパソコンを閉じ、イスに座ったまま伸びをした。
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