㈱恋人屋 TWICE！
「ふぅ…。」

私は、慣れない支店長室のイスに座ってため息をついた。

「挨拶緊張した…。」

私は支店長として挨拶をしたのだが、どうにも緊張してしまい、かなり体力を使ってしまった。しかも、この慣れないイスの座り心地。何故か体が硬くなってしまう。

その時、部屋のドアが叩かれた。

「どうぞ。」
「失礼します。」

ドアの向こうから現れたのは、菜月くんだった。

「何だ、菜月くんか…。」
「ん？」
「緊張してるところに誰か来たから、もう、ね…。」
「そんなに緊張するのか？」
「するって。やってみたら分かるよ。…で、何の用事？」
「色々と、書類があるからな。」

そう言うと、菜月くんは私の机の上に山のような書類を置いた。

「これ…全部読むの？」
「当たり前だろ、支店長なんだから。」
「はぁ…。」

ため息が多くなってしまう。

「じゃあ、この辺で。失礼しました～。」
「は～い…。」

菜月くんがドアを閉めると、私は一番上の書類から順番に目を通していった。

「えっと…ふむふむ…ほうほう…。」

そしてこれだけで、今日という一日がほぼ終わってしまった。
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